ここからセクハラ!【書評】



セクハラ根絶の旗を掲げているかのように、「セクハラ」という行為に対してやや攻撃的な表現も交えながらも、結果的にそれがユーモラスな表現として成立しているという独特な書き方に感じました。


わかりやすい表現でまとめられているため、男性のわたしでも夢中になり、どんどん読み進めることが出来ました。
女性とはどういうものか。幼少の頃からどう育てられてきたか。
そういう点から「女性」という存在を確認することが出来ます。
女性は命令口調で意見を述べることが出来ない。
確かにそうだ、と思いました。
教師、教官なら「やめなさい」という表現はありますが、多くの人は「やめてください」「なにしてるんですか」という、お願いや疑問文を投げ掛ける表現になっています。
わたしのまわりの女性も、柔らかい感じの女性が多く、命令口調の人はいません。

「波風を立てたくないから」
「場の空気を悪くしたくないから」
「相手との関係を悪化させたくないから」


置かれた状況により理由は様々あると思いますが、女性達は我慢をしているだけなのです。
女性達が声を上げて抗議しないからといって、自分の行為を受け入れてくれたと、思い違いをする人は少なくないのが現状でしょう。
多くの女性に共感いただける本であると感じました。また、女性のみならず、男性が読んでも「なるほど、そうだったのか」と新たな気づきや確認ができることでしょう。
女性の社会進出が進んでいる一方で、男性がさらに精進をしているかといえば、特にそういうわけでもありません。今後の日本社会を支えていくには、意欲を持って社会に参加してくれる女性達の力は必要不可欠のはずです。
わたしたちは、ハラスメントによって他者に枷をはめている場合ではないのです。
ひとりひとりのモラルを再確認していくことが必要ではないでしょうか。
「プライド」というと男性のプライドの高さがよく取り上げられますが、女性にもプライドはあります。尊厳はあります。
まるで「女」という名の商品として扱われているかのような関わり方を、女性達が受け入れているという勘違いは、わたしでも気分を害しそうな環境だと感じます。
AV女優だったならまだしも、「抱きたい女ナンバーワン」に選ばれたとして、どれだけの


画像ソース:平林堂書店・外販部さん twitter より




【目次】

はじめに

第1章 セクハラの穴に落ちる男たち

第2章 エリートがなぜ? ジュラシックパークの住人たち

第3章 女たちの悲しいサバイバル

第4章 恋と不倫とセクハラのメカニズム

第5章 セクハラをどう解決するか

第6章 職場以外のセクハラ

第7章 セクハラの新しい常識

おわりに


集英社

194ページ

2018年11月10日第1刷発行


著者 牟田和恵

1956年福岡市生まれ。87年京都大学大学院博士課程退学。佐賀大学教養部講師、助教授を経て、91年甲南女子大学文学部助教授。その後、ハーバード大学、コロンビア大学他で研究員、招聘教授を務める。04年より大阪大学大学院人間科学研究科教授。

著書に『ジェンダー家族を超えて 近現代の生/性の政治とフェミニズム』(新曜社)、『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書)など。



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