「女子」という呪い【書評】
「男以上に成功するな」「早く結婚しろ」「家事も育児も女の仕事」
今となっては時代錯誤な話だが、それでも今尚、このような話しは至る所で続いている。そんな女性の生きづらい現状が、この本には綴られている。
女子たちのリアルな日常をまとめた本
はじめに、筆者は「この国の女子は呪われている」と題し、いかにこの国の女性たちが社会でハラスメントを受け苦しんできたのかを語っている。
「オッサン社会」の中で「女子力」や「女性の活躍」という言葉への違和感を感じたり、セクハラには「場の空気」を壊さないよう笑顔であしらう技術が処世術であると求められたりと、女性の生きづらい現状を筆者は吐露している。
本書は、そんな「オッサン社会」に物申し、リアルに闘う女子たちにエールを送る本である。 本の中には、一般的な例から、あまり目にすることのない例まで出てくる。だが、様々なパターンで取り上げることによって、読者の感じてきたであろう社会への「違和感」を、少しでも言語化したいという思いが伝わってくる。
( 'ω'o[ 本書の内容をご紹介 ]o
非正規化も深刻な韓国の若い世代は、今や「七放世代」と呼ばれている。7つのものを手放す世代という意味だが、それは恋愛、結婚、出産、マイホーム、人間関係、夢、就職。ガジャさんは言う。
「韓国ではこれまで、男女の仕事というのは明確に区別されてきました。でも、景気が悪化して、女性が今までのような専業主婦になれなくなり、働くようになった。それによって男女が平等になったわけではなく、ただ女性の負担が増えたんです。主婦として家事もこなし、母親として育児もして、さらに仕事もする。その上で夫からも愛される。そんなスーパーウーマンになることが、今、韓国では女性に要求されています。」
不況が続く中で専業主婦は減り、「女性の社会進出」という美名のもと、増えたのは女性の負担だけ。このあたり、既視感を覚える人も多いのではないだろうか。日本でも韓国でも、女性にばかり多くのことが求められている。
ああ、やっぱりこの辺りも日本と同じだ。
(p.206 - p.207 から引用)
『「女子」という呪い』 雨宮処凛 著
— 浅野 泰平✡✧読書アカウント (@asapon_yomyom) February 23, 2019
女性は「男性を立てる」ことを要求され、結婚しない女性、子どもがいない女性は、周囲の無神経な言葉に晒されるなど「生きづらさ」を抱えている。
この本は、筆者が感じた違和感を言語化して一冊にまとめた、ジェンダー問題を真正面から扱った本である。#MeToo pic.twitter.com/FRyAVwe11u
すべての生きづらい女子たちにエールを
筆者は、世の中が大いなる矛盾と男にとって都合の良い戯言に満ちていることに、ずっと違和感を持っていた。これまでは「言わない方が無難だな」と心に蓋をしてきたが、その蓋を取り、思考停止をやめてこの本を書こうと決めたのだ。
執筆中も多くの男性からバッシングがあったといい、声を上げることすらもハードルの高いものであった現実を語っている。それにもめげずに書き上げたからこそ、本書は多くの読者から共感を得るヒット作となったのである。
もし、「おっさん社会」の中で苦しんでいる人がいたならば、本書を読み、失いかけていた勇気と気力を再び湧き起こしてほしい。
「呪い」から解放され、貴女らしい人生を生きていくために。
こちらのYoutubeチャンネルでも紹介されています。
【「女子」という呪い】
— 山本太郎 住まいは権利! (@yamamototaro0) April 16, 2018
著・雨宮処凛
献本して戴いたので読んだけど面白く勉強になった。
ドラマ化できるんじゃないか?
女子が上がれない土俵は相撲だけではなかった!
女子というだけで、人生に数々現れる土俵にも上がれず、塩を撒かれ続ける数々の呪いを知った。
読むべしっ! pic.twitter.com/pANcQFr5od
【目次】
はじめに すべての生きづらい女子たちへ
第1章 オッサン社会にもの申す
第2章 女子たちのリアルな日常
第3章 「呪い」と闘う女たち
第4章 「女子」という呪いを解く方法
おわりに なんだ、みんなおかしいと思ってたんだ
集英社
223ページ
2018年4月10日第1刷発行
著者 雨宮処凛 プロフィール
1975年、北海道生まれ。作家、活動家。2000年に自叙伝エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。反貧困ネットワーク世話人。著書に『一億総貧困時代』など多数。
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